さびた金属屋根を、白い下塗りから遮熱仕様へ――日本ペイント「ダンジオーラE下塗 屋根用硬化剤」が9月28日発売
リード
真夏の工場や倉庫の屋根で、さび落としに何日もかける。遮熱塗料で屋根を改修しようとすると、多くの現場がまずこの工程にぶつかります。日本ペイント株式会社が2026年9月28日に発売した「ダンジオーラE下塗 屋根用硬化剤」は、さびの上から塗れる防食下塗り「ダンジオーラE下塗」を屋根の遮熱改修に使えるようにする専用硬化剤です。屋根用途では従来使えなかったホワイトの下塗りにも対応しました。発表資料と製品ページをもとに、その中身を整理します。

遮熱改修の前に立ちはだかる「ケレン作業」
発表によると、記録的な猛暑が続くなか、工場や倉庫の金属屋根では遮熱塗料を使った改修のニーズが急増しています。ただ、経年でさびが進んだ屋根を塗り替えるには、さび落としなどの入念な素地調整(ケレン作業)が欠かせません。炎天下の屋根の上で長時間作業する負担は大きく、工期が延びることも課題になっていました。
ダンジオーラシステムは2024年10月の発売以来、「さびの上から塗れるさび止め」として現場で使われてきた塗装システムです。今回の新製品は、その現場から寄せられた「この防食性能に遮熱機能を組み合わせたい」という要望を受けて開発されたと同社は説明しています。
何が変わるのか――硬化剤を替えて、上に遮熱塗料を
本製品は、塗料液はこれまでと同じ「ダンジオーラE下塗」を使い、硬化剤だけを屋根用に替えるという位置づけです。同社によれば、ダンジオーラの防食性能はそのままに、上塗りとして屋根用遮熱塗料を塗り重ねられるようになります。
発表で強調されているのは、まず作業時間です。さび落としにかかる時間を大幅に短縮しながら遮熱塗料まで仕上げられるため、炎天下の高所作業を減らし、工期の短縮につながるとしています。長年メンテナンスされていない金属屋根や塩害地域のような厳しい環境でも、塗膜が進行するさびを安定化させ、建物の長寿命化に貢献するとも述べています。
もうひとつの変化が下塗りの色です。屋根用途では、グレーに加えて、従来は制限されていたホワイトの下塗りが選べるようになりました。ホワイトは反射率の高い色相であることから、上に塗る遮熱塗料の性能を引き出せる、というのが同社の説明です。
製品概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | ダンジオーラE下塗 屋根用硬化剤 |
| 用途 | ダンジオーラE下塗を屋根用塗料・遮熱塗料の下塗りとして使う際の専用硬化剤 |
| 適用下地 | 鉄、トタン、ガルバリウム鋼板の屋根 |
| 発売日 | 2026年9月28日 |
| 荷姿 | 1kg(20kgセット:塗料液19kg・硬化剤1kg)。塗料液は従来の「ダンジオーラE下塗」を使用 |
ダンジオーラE下塗の製品ページでも、荷姿の欄に「屋根用硬化剤」を組み合わせた20kgセットが掲載されています。
ベースとなる「ダンジオーラE下塗」とは
ダンジオーラE下塗は、さび面に対応する弱溶剤形の変性エポキシ樹脂下塗り塗料(2液形)です。製品ページでは、NETIS 令和8年度推奨技術(NETIS登録 CG-250006-A)であること、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆であることが示されています。ダンジオーラシステムは2026年1月、「第9回インフラメンテナンス大賞」技術開発部門で国土交通大臣賞を受賞しました。
特長として挙げられているのは、腐食因子の侵入を抑える高遮断性と、さびを安定なさびに転換する機能です。特設ページでは、さびが残っていても塗装でき、残存塩分も通常の3倍まで許容するとしています(同社データ)。また、-5℃を下限に施工できること、工程数と塗料使用量の削減によって環境負荷の低減にもつながることが製品ページに記載されています。採用実績としては、国指定重要文化財の若戸大橋(北九州市)が紹介されています。
なお、これらはダンジオーラE下塗およびダンジオーラシステム全体としての説明です。屋根用硬化剤を使った仕様での詳細は、カタログや塗装仕様でご確認ください。
ECOTの視点
遮熱塗装の効果は、上塗りの性能だけで決まるものではありません。下地がさびに負けずに持ちこたえ、塗膜が長く健全であってこそ、遮熱の効果も長く続きます。今回の製品は、防食の下塗りと遮熱の上塗りを一つの改修としてつなぎ、下塗りの色まで遮熱を意識して選べるようにした点に意義があると私たちは考えています。
ECOT(一般社団法人 日本エコ塗装認証機構)は、遮熱塗料などの性能・耐久性を客観的な資料に基づいて確認し、会員向けのデータベースとして整理している団体です。これまで環境省・国土交通省などに対し、グリーン購入法における高日射反射率塗料の判断基準について、初期性能だけでなく耐久性やライフサイクルコストを含めて評価する必要性を提案してきました。
屋根の長寿命化、作業負担の軽減、そして遮熱。これらを塗装システム全体で考えようとするメーカーの動きは、塗料を「長く使い続けたときにどうか」で評価していく方向性とよく重なります。こうした取り組みが広がり、長期の性能を示すデータが業界全体で蓄積されていくことで、発注者や施工者がより納得して製品を選べるようになるはずです。ECOTも、その土台となる情報を発信し続けていきます。
※本記事は公開情報をもとにした二次情報の紹介です。ECOTが本製品を認証・推奨・評価したものではありません。製品の仕様・性能の詳細はメーカーにご確認ください。
参考文献
- 日本ペイントホールディングス株式会社「国土交通大臣賞受賞の『ダンジオーラシステム』に待望の新製品!『ダンジオーラE下塗 屋根用硬化剤』を発売」(PR TIMES配信、時事ドットコム掲載、2026年9月28日) https://www.jiji.com/jc/article?g=prt&k=000000410.000007223 /同内容:産経ニュース https://www.sankei.com/pressrelease/prtimes/RWPIVICCBVNAZIXLQMSOESE2MI/
- 日本ペイント株式会社「ダンジオーラE下塗|NETIS 令和8年度推奨技術」製品ページ https://www.nipponpaint.co.jp/products/building/350/
- 日本ペイント株式会社「ダンジオーラシステム」特設ページ https://www.nipponpaint.co.jp/products/feature/danziora/
- 一般社団法人 日本エコ塗装認証機構(ECOT)公式サイト https://ecot-japan.com
(参照日:2026年10月2日)

